生活の中の覚え書き

読書感想 ぼぎわんが、来る

ぼぎわんが、来る

 

伝統あるホラーの賞を取り、漫画化、映画化されただけあり、文章も洗練され、読んでいて飽きさせない実力がある。1日で一気に読んだ。合計で6時間程度かな。おもしろかったです。

 

何者なのかわからない恐ろしい入れてはいけない何か【ぼぎわん】の物語は3部構成をとる。第一部は、ぼぎわんに子供の頃から付き纏われる男性の目線、第二部は、男性の妻の目線、第三部は、男性に助けようとするオカルトライターの視線。

全編を通して、登場人物の心情を淡々と語るような語り口は、ノンフィクションのドキュメンタリーを読んでいるかのように錯覚させる。

ホラー小説をあまり読んだことがないので比較できないのだけど、ホラーとミステリーと人間関係の裏にある心理描写が混じり合っている。それから、除霊関係者のキャラクターが立っており魅力的でキャラ小説としての面白さもある。

これは映画も漫画もイケるやつですね。

 

個人的にはコナシ独身女性として最終パートの登場人物それぞれの心理的葛藤は直視できないものがあった。見つめるのって辛いねー。

ホラーなので夜眠れなくなるかなと思ったけど、意外と全然大丈夫でしたね。

怖いけど怖いというよりも、どきどきわくわくの読書体験でした。