フェルメール展@上野の森美術館
フェルメール展に行きました。
結論から言うと、フェルメールの絵画、とてもよかったです!!
世界に35作品しかないというフェルメール作品のうち、8点(日程により9点)が展示されています。フェルメールのほかに同時代のオランダの絵画が多数ありました。
久しぶりにフェルメールくらいの時代の絵画を観覧しましたが、なめてた…いいね…
まず、美しいですよね。
そして、昔の暮らしを知るのもとても楽しい。
今回の展覧会は、解説が充実していたので、無教養な私でも楽しめました。
フェルメールの真珠の首飾りの女と手紙を書く女は、ふたりとも同じ黄色の服を着ていてるのだけど、フェルメールに影響を受けたという他の作家の作品にも同じ服を着てる人が出てきます。
パクリ?笑 おもしろかったです。
フェルメールや同時代の作家の作品の中に、人物とともに絵画や本などが描かれているんだけど、それらにもちゃんと意味があるのだそう。例えば、楽器は恋心を、嵐の海は荒れるような恋心を、描いてるんだって。(恋心ばっかり笑)
昔の人にとって、絵画はいろんな意味を持っていたんだろうね。そこにあるストーリを感じさせるから、リアルな映画だったり演劇だったり…マンガみたいな意味もあるのかな。
しかし、前売りで2500円、石原さとみちゃんの音声ガイド付きとはいえ、高いね〜!
全ての作品の解説がついた小冊子も頂きました。
上野の森美術館は、やっぱり狭いよね。
人気のフェルメール、時間制限しているのに人だらけで、なかなかストレスでした。会場が狭くて作品が少ないからまだましだったけど。
あと、会場出るまでトイレがないのね…
長くいようにもいられないじゃん…
トイレは途中に設けて欲しかったなあ…
図録も強気の3000円…
購入しなかったけど、解説も充実していて良さそうでしたよ。
されど私の可愛い檸檬
久しぶりに舞城王太郎作品を読みました。短編3話が収録されていて、そのうち一編は書き下ろしです。
2冊2ヶ月連続発刊で、もう一冊の林檎と共に読了しました。非常によかったですね。
舞城王太郎さんは、私の一番好きな作家さんです。
一番好きなのは「ディスコ探偵水曜日」なんですが、今までの作品とかと比べると、林檎もそうなんですけど、なんというか、新しい舞城でした。
今までの舞城作品…例えばディスコなんかは、ファンタジーでSFでミステリーで、物語で起こる出来事は、わりと現実的でないことが多いのですが、この短編集はそういうことがなくて、実際にあるかもしれない出来事しかでてきません。いや、たぶん、ちょっと変わった出来事だから、実際にはほとんど起こらないのだろうけど、起こりそうなのです。
表題作、されど私の可愛い檸檬、最近自分の生き方に迷ってた私にグサグサ刺さるホラーじゃないけど私にとってのホラー小説でした。
《檸檬の意味》
もう一冊の林檎では、なぜ林檎なのかわかりやすかった(英語のイディオムが引用されています)のですが、檸檬については文中では明言されないのです。
それで、レモンの英語でのイディオムを調べて見たのですが、レモンにはポンコツとか出来損ないという意味があるみたいです。
あぁ、されど私の可愛いポンコツ。これはわかりやすいです。文中には、ポンコツという言葉が出てきます。
《タイトルの私とは誰なのか》
このお話は、主人公が青年期から家族を持つまでが描かれています。はっきり言って、主人公は決断が甘いポンコツです。最終的に、キラリと光る能力があったにもかかわらず、その仕事はせずに、やりたいことがあったにもかかわらず、結局、若い頃にやりたかったことができず、キラリと光る仕事は不義理して、子どもができて、主人公のもともとやりたいと思っていたこととは離れた、滅茶滅茶な先輩の敷いたレールにそった仕事をして生きることになります。それでもその中で主人公は生きます。そして皮肉なことに、何を仕事にするか自分の意思で決断できず自分でどう動くべきか決められなかった主人公は、生きるために、向いてもなくやりたくもなかった仕事において《決断することの重さ、厳しさ、重要さ、辛さ》を自覚するのです。
はっきり言ってこれは恐ろしい話で、私たち、いや実際は私の身に起こっていることで、背筋が凍りました。私は、自分の人生を決断してきたのか???
私の檸檬の、私とは誰なんでしょう?
ポンコツでも、かわいいんだ、というのは、誰なのでしょう。
レモン=ポンコツと仮定しておいて、レモン=私である場合には、私の私となってしまうから、矛盾しています。レモンがポンコツ加減というニュアンスなら成り立ちますが。まあ、タイトルの私は主人公自身ではなく、周りの恋人や職場の人なんだと思います。
本文でも言及されていますが、他人は優しいのです。それはその通りで、ポンコツに対してもみんな優しいんです。だけど、その優しさ、可愛いという気持ちは、私自身の人生を良い方向には導きません。
自分の意思決定をいかに正しく行い、考えて行動するかなんだと思います。
ぼーっと生きてるんじゃねーよってこと。
私は最近になって本当にこれを思います。
何かを成し遂げたい、成長したいと思ったら、ぼーっと生きてたらできないって、最近思います。
これまで、ぼーっと生きてきたから。
だから、この小説は、本当に怖かった。
時間を作って、他の話の感想も、そのうち書きたいな。林檎もレモンもどの短編もよかったです。ファンなので絶対悪く言えない色眼鏡もかかってますが、やっぱり好きだ。
生誕110年 東山魁夷展
http://www.nact.jp/exhibition_special/2018/kaii2018/
会期ギリギリで東山魁夷展に行きました。
開催されることは知っていたけれど、あまり行く気はなかったのだけど、気まぐれに足を伸ばしました。行って良かったです。
思ってた以上に素晴らしくて、いくつかの作品では感極まって目頭が熱くなりました。特に、晩年の作品群は、やはり良かったですね。
ある人物を特集した展覧会は、その人の表現したいことを感じやすくて、より感動することが多いですね。
70作品の出展で会場は結構広かったですが、1時間程度で満足いくぐらいの規模感でした。ずっといていいよと言われたら、ずーっと見ていられる作品も多かったです。
素人ながら、作品について、好き勝手書きます。
『残照』1947年
見たときは早朝朝日に照らされ山かと思いましたが、作品名からすると、夕刻の風景なのでしょう。
山中の風景で、絵の中央の山々が、薄明かりで白っぽくスポットライトが当たったように照らされています。
多くの作品でそうなのですが、繊細ながらふんわりとして、本物の景色に美を感じる瞬間を思い出します。本展では、この作品のように中央に明るい色合いが配置される絵が多いように感じました。
『道』1950年
教科書にもよく載っている有名な作品。
真ん中より少し左を中心に、ややカーブを描き奥に向かう道が描かれています。目の前に立ってみふと、私の目の前に道があるように感じられました。
晩年の作品と比べると、活動的な印象をうけました。また。この中央に明るい細長い色合いの配置を置く作品も多かった気がしました。
『冬華』1964年
これは、北欧での活動機に描かれた作品のようでした。月に照らされた雪景色。中央に、白い満月と一本の大木が描かれています。白い木の枝の美しい広がっていて、複雑なのにまとまっています。
この作品と似た構図の作品が、次のセクションにも展示されている『花明かり』です。
『花明かり』1968年
こちらは、京都での活動期の作品。構図が『冬華』と非常に似ています。もしかしたら、冬華は桜を意識していたのかもしれませんね。全く異なりますが。中央に桜の木と月が配置され、柔らかく繊細な筆致です。調べて気がつきましたが、タイトルは月明かりではないのですね。月明かりによって照らされた桜が光っているように見えたのでしょうか。
『白馬の森』
白馬シリーズも複数展示されていました。白馬というモチーフが非常に幻想的に描かれています。もののけ姫のシシガミまでは行きませんが、現世界を超えた神的なものを感じました。
『唐招提寺御影堂障壁画』
お部屋を再現しての襖絵の展示。10枚以上の襖に海を描いた作品が素晴らしかったです。ファンタジックなVRのような感覚を味わいました。
晩年の風景画
晩年の作品群は、本当にどれも素晴らしかったです。実物の風景以上の美しさ、心を動かす何かが、どの作品にもありました。実物の風景もとても美しく、それを写実的に描写しているにもかかわらず、それ以上に感動させる、アートワークの力を感じました。
赤岳
木金で赤岳登山に行ってきた!
一泊二日のちゃんとした登山は一年ぶり。
しかも今回は赤岳、横岳、硫黄岳と、縦走しました。
スーパーあずさは満席でした。指定席とれてよかった!茅野駅からバスで1時間ほどで美濃戸口に到着。八ヶ岳って東京から近い。
1日目は美濃戸口から北沢ルートで、赤岳鉱泉、行者小屋、赤岳展望荘まで。
行者小屋までは、ゆるやかな登り。川が流れていて涼しげな新緑歩き。アブ?みたいな虫がたくさんいて結構刺されました。刺されると結構痛かった。水を汲める場所が多いのも嬉しい。途中、赤岳鉱泉でスイカ売ってました!気がつくのが遅くて食べられなかったけど、、二日目に赤岳鉱泉に来た時はなかったから日によってあったりなかったりなのかな。
行者小屋から赤岳展望荘までは、それまでとうってかわって岩場を登るように。最後の頑張りにしては、なかなか長くて大変でした。途中途中で振り返って見える景色に慰められながらひたすら歩きました。
4時半ごろ、なんとか赤岳展望荘に到着しました。美濃戸口から約6時間。そこまでが(私にとっては)長いハードな登りだったので山小屋が見えたときは本当に嬉しかった。
赤岳展望荘についてチェックインするとコップがもらえます。このコップで、コーヒー、お茶、お湯が飲み放題なのは嬉しい。(でも、ペットボトルの水は500円もする)
夕食はバイキング形式でお代わりもできました。メニューは、炊き込みご飯と豚汁と、チキンのトマト煮、大根と豚の角煮、山菜のてんぷら、杏仁豆腐やフルーツ缶など。
お腹いっぱいゆっくりご飯を食べた後は五右衛門風呂へ。山小屋でお風呂に入れるなんてすごいよね。石鹸類は使えないけど、シャワーもあって、暖かいお風呂で少しは疲れもマシになったかな。
今回は個室に泊まりました。夕食付きで1万1千円。4畳ほどの布団スペースが割り当てられてました。平日だからか結構空いてた。使ったタオルなどをハンガーに干して荷物整理。気がつかなかったけど、個室の続きに談話スペースがあって、テレビや本やカードゲームなどがあったみたい。
荷物整理したら、歯磨きついでに山小屋のクロックスを借りて外に出て星空鑑賞。やっぱり山から見る星はすごいよね。半球に広がる無数の星々。
星をずっと見ていたいけど、明日も早い、就寝です。くたくただったけど、寝る前に一手間、翌日に備えて夕食時に一緒になった方から教えていだだいたストレッチをしました。
二日目はご来光からスタート!
疲れのおかげかぐっすり眠れた。4時40分の日の出の前にゴソゴソと用意をはじめます。山の朝は夏でも寒い。装備は全て身につける。Tシャツ、ユニクロのウルトラライトダウン、ウインドブレーカーにレインウェア上下、靴下もお忘れなく。寒そうだったので、サンダルじゃなくて靴を履いて外へ出たら、ちょうどいいかんじ。
体力に不安があったけど、赤岳展望荘に宿泊したのはご来光のためです。赤岳鉱泉や行者小屋は、山の裏側なので日の出が見えないらしい。
頑張った甲斐あって見たご来光。雲海から日が出る瞬間って本当に素敵。溶けそうに真っ赤な光がのぞく瞬間ってなんであんなにきれいなのかな。
展望荘のいいところは、日の出と同時に、朝日に照らされる赤岳の山頂、そして富士山が見えるところ!そしてお日様と反対側には、山の稜線の影が、お隣の中岳と阿弥陀岳にかかるのが見えます。刻々と変わっていく光がまた楽しい。
展望荘の食堂で朝食を取る方がほとんどのようでしたが、私たちは外のベンチでインスタントスープとパンとソーセージの朝食。お湯を沸かすために火を持ってきましたが、展望荘でお湯がもらえたのでいらなかったかも。まあアウトドア気分アップだし、熱々ソーセージも美味しかったからヨシです。それに、山の景色を見ての食事は楽しい。
片付けとチェックアウトの後は、展望荘の談話スペースに荷物を置かせてもらって、赤岳の頂上へ向かいました。
赤岳展望荘から赤岳の頂上までも、岩場が続く急な登りでした。荷物置かせてもらってよかった!(この後横岳に泣くことになる)
頂上までは高山植物の花々が満開でした。きれいだねって見ていたら、コマクサしか名前がわからない私達に山の先輩方(通りすがりの登山客の方々)が名前を教えてくれました。
チシマギキョウ、オヤマノエンドウ、ゴゼンタチバナ、ミヤマダイコンソウ…高山植物の花って小さくてかわいい。オヤマノエンドウは覚えやすくていいね。
頂上からは、たくさんの山が見えました。富士山も南アルプスも北アルプスも見えるの。目を凝らすと槍ヶ岳のトンガリを発見。いつか登れる日が来るかしら。朝に登頂できたので雲もなく展望抜群でした。昼になるにつれ雲が上まで上がってきちゃうんだそう。これも山の先輩に教えて頂きました。1日目辛かったけど頑張って赤岳展望荘に泊まってよかった。頂上の山小屋で山バッチゲットし、また展望荘まで下りました。
展望荘で荷物を回収して、いざ横岳へ!!
しかしまあ、こんなに横岳が大変だとは思いませんでした。長い長い鎖場が続きます。私は鎖場が楽しくて結構好きなのですが、同行者は苦手な人もいて思ったより時間がかかってしまいました。途中からストックが使えない場所が続きます。手で岩や鎖をつかんで進んでいく。今回、私は手袋忘れちゃったけど、手袋はあったほうがよかったかも。途中でここの固有種?というウルップ草を他の方に教えていただきました。ラベンダーみたいな縦長の花。
横岳は本当に長くて、何個か頂上?みたいなのがあるけど、ここが横岳っていうのはないみたいで、いまいち登った感じなく、硫黄岳ゾーンに突入しました。
硫黄岳ゾーンは、横岳とはまた全然違う山。横岳は岩場ゴツゴツだけど、硫黄岳は小石ゴロゴロのなだらかなコース。途中でコマクサの群生地がありました。珍しいという白いコマクサもあったよ。
この辺りからだんだん体力的に辛くなってきてすでに記憶が曖昧ですが、山の景色と高山植物が楽しめて景色もコロコロ変わって楽しい山でした。長い道頑張って赤岳鉱泉に抜けました。硫黄岳山荘から赤岳鉱泉、ほんとに遠かった。
赤岳鉱泉で冷たい水を汲んでリフレッシュ。この時点で美濃戸口の最終バスに間に合わないことが決定し同行者のテンションだだ下がり。日が落ちる前に山を出られるかということになってきていて、疲れた体にムチ打って出発しました。
赤岳鉱泉から美濃戸口までも超超超遠かった。途中で同行者が足を吊るというハプニングも発生。なんとか歩いて、途中の山小屋の方にシップを分けていただきました。バスには完全に間に合わなかったので山小屋の方に電話を借りて、タクシーを美濃戸口に予約しました。山小屋の方がとても優しくて、お茶もお新香も下さって本当に本当にありがたかったです。
ここからあと1時間!!!平坦な下りです。ゴールが見えて元気も出てきて、おしゃべりの余裕もでました。最後の力を振り絞って歩いた。
最終的に美濃戸口には、5時ごろ到着しました。バスまであと少しだったのに残念。
しかし本当に今回は疲れ果てた!
コース
1日目
美濃戸口→北沢ルート→赤岳鉱泉→行者小屋→赤岳展望荘
2日目
赤岳展望荘→赤岳山頂→赤岳展望荘→横岳→硫黄岳→赤岳鉱泉→北沢ルート→美濃戸口
反省点
☆赤岳展望荘にとまったのはよかった。日の出も赤岳登頂のタイミングがよい。
☆横岳のリサーチが足りなかった。鎖場苦手な人がいると時間がかかる!
☆手袋、サングラス、アームカバー、ネックカバーが必要でした。日焼けやばい。顔は日焼け止め塗りたくってたけど、唇と鼻だけやけちゃったので、口元まで伸ばせるネックカバーしとけばよかったと反省。
☆水の量間違えた。行者小屋では水が汲めるけど、その後調達が難しい。行者小屋の時点で残り2リットルはあったほうがいい。
☆虫めっちゃいる。刺される。タイツとかアームカバー越しに刺されるので虫除けあったほうがいい。
八ヶ岳はじめてでしたが今後制覇していきたいなあ。
君の名は。
君の名は。を観に行ってきた!
土曜に観に行ったら、ほぼ満席でパンフも完売という噂に違わぬ人気ぶり。
なんとか席をゲットして、鑑賞してきました。
アニメだけあって、ちゃんとOPが付いてます。
前半、キャラクターは魅力的だし、挟まれるギャグも笑える。絵も綺麗だから、さわやかな気持ちで楽しめました。
後半から、ストーリーが一変してクライマックスに向かって盛り上がっていきます。
RADWIMPSが、、
高校生たちの感情の描写が、、
美しい背景が、、
煽るよ煽る、感情を煽る。
結果、大号泣しました。
感情が高ぶった結果、ストーリーはよくわからなくなっていきます。
なんで泣いてるのかわからないけど涙が止まらない。幼児状態です。
エンドロール流れても、大音量のRADWIMPSが涙を止めてはくれませんでした。
新海誠作品、初めて見ましたが、こういうことかと。
もう一回くらい観てもいいかも。